昨日の続きです。
今日は「ガーデンシクラメン」の耐寒性について書きます。
「ガーデンシクラメン」という名前が聞こえてきたのは、今から10年以上前の事です。
屋外で庭植えしても大丈夫なシクラメンの苗 という意味でガーデンシクラメンが誕生しました。
発売当初の某園芸書の紹介文をご紹介いたします。
「ガーデンシクラメンとはミニシクラメンのなかでも比較的寒さに強い品種を選抜して
ポット苗の状態で販売されている物を言います。」 (文章かなり省略)
たぶん書かれた方(高名な園芸研究家ですが)も今では認識が違うと思いますが
その当時では 園芸に携わる方の大多数がこのような認識だったと思います。
ガーデンシクラメンはミニシクラメンと決定的に違う所が2つあります。
①耐寒性
ミニシクラメンは耐寒性が強い品種でも 土が凍ったり、強い霜にあたると枯れるか
葉がかなりのダメージを受けます。
ガーデンシクラメンは、雪の中でも元気に咲き続けています。
②連続開花性と耐暑性
ミニシクラメンは 花の盛りのような期間があり、冬の終わり頃にたくさんの花を咲かせ
初夏に向かって 花数を減らし 夏には休眠状態に入ります。
一方ガーデンシクラメンは常に同じような本数の花を立ち上げます。
旺盛な物は 夏になっても花を咲かせ続けます。
わが家のガーデンシクラメンは夏でも葉が茂り 植え替えのタイミングが分からない程です。
ガーデンシクラメンの花の付き方は「原種」のシクラメンの咲き方に似ています。
原種のシクラメンは休眠から覚めるといきなり花を立ち上げます。
(立ちあげる品種があります)
園芸品種である「ガーデンシクラメン」も休眠から覚めていきなり花を立ち上げる事があります。
ガーデンシクラメンは 原種の血を濃く引いているのでは?
そうであれば 寒さに強い という性質もうなずけます。
実は 耐寒性が強いガーデンシクラメンは 形にも原種の痕跡が残っているのです。
ひとつの目安にしてください。
① 葉の形
耐寒性の強いガーデンシクラメンは 株を横から見た時、葉が横に広がっているのが分ります。
一方 耐寒性の弱いガーデンシクラメンは 葉が下がったように付いています。
鉢植え用のシクラメンを思い出すと、葉が下がっていると感じられると思います。
これも原種から遠く離れていった証拠なのではないでしょうか。
② 花の大きさ
耐寒性の強いガーデンシクラメンに花の大きい種類は少ないです。
人の手が入ると(交配が重なると)耐寒性が弱くなるようです。
人の常として 育種を繰り返すと 花を大きくしてしまいます。
花が小さいのも 見極めのポイントのひとつだと思います。
ただし、ガーデンシクラメンの中には 花びらが返らない品種があります。
そういうシクラメンは花が大きく見えますが 耐寒性は強いです。
明日は「ガーデンシクラメン良品の見分け方」について書きます。
約1年前にも 同じような内容を書きましたが 復習だと思って下さい。
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思います。