秋植え球根の3回目「ゆり」です。
ゆりは植え付けにコツが幾つかある球根です。
ゆり と一口に言いますが 園芸店で売られているゆりを大別しますと
① テッポウユリ
② すかしゆり
③ ハイブリッド ゆり(オリエンタル・ハイブリッド・リリー)
の3つに分ける事ができます。(その他には原種系ゆり になります)
テッポウユリの特徴としては、花弁が前方に飛び出した様な形をしている事です。
また、葉が細く 長い特徴があります。
すかしゆりの特徴は、花が中輪が多く 一本に多くの花を付けます。
また、色がカラフルですが 単色が多いですね。
ハイブリッドゆり はユリの中でも花が大きく、香りも強い特徴があります。
一つ一つの花は大きいですが、1本に対しての輪数はすかしよりも少ないです。
有名な「カサブランカ」はこの ハイブリッドゆりになります。
ユリの植え方のコツの考え方
ゆりには、共通した特徴と、種類によって異なる特徴があります。
まずは、共通する特徴から お話いたします。
①
ゆりは球根の上下から根が出る。
球根を植えると、まず下の根から出てきます。これは体を支える為の根です。
次に球根の上から根が出てきます。
ゆりは、この上の根から 水や肥料を吸収します。この根が大事です。
⇒ゆりの球根を植える時は 球根を埋める土に主に元肥を施します。
② ゆりは
寒さに当てる事が大事。寒さが当たらないと花が咲かない場合があります。
球根は10月から翌年の2月まで植える事ができます。
寒さを経験させることが大切です。
③
ゆりは芽の出始めの乾燥を嫌います。
芽の出始め時期に乾燥さえないように、腐葉土や水苔などで地表面を覆うと良いですね。
④
3月に急に芽が伸び始める時の肥料切れに注意!
3月 暖かさを実感できるようになると ゆりの芽は急激に成長し始めます。
この時に 肥料切れを起こす事がありますので、液肥 または 寒肥えにて対処します。
液肥は効果2週間 即効性があると考えてください。
寒肥えは2月に 有機の緩効性肥料を置いて 3月に備えます。
⑤ ゆりは「アブラムシ」に付かれやすい植物です。アブラムシがつくと一番やっかいなのは
病気 特にウイルス系の病気です。
啓蟄以降はオルトラン粒剤などを置いて対応します。
種類によって異なるコツ
①
植え込みの深さ
球根の植え込みの深さですが、先に書きました通り 球根の上根がしっかり張れるように
深植えが基本(球根の2~3個分の深さに植える)なのですが、ハイブリッド系の
ゆりに関しては球根1個分程の深さに 浅植えにします。
②
植え付け場所(置き場所)
ゆりは「ひなた」に植える物 と思われているかもしれませんが、違います。
テッポウユリ、すかしゆり は太陽が好きですが
ハイブリッド系のゆりは 半日陰~半日日陰 を好みます。
有名な「カサブランカ」なども
午前中 日が当たり 午後は陰になる場所 もしくは
明るい日陰 を好みます。
特に芽の出始め時期に 強い日差しに当ててしまうと「葉焼け」と言われる現象を
起こす可能性があります。
葉焼けを ひどく起こしてしまうと「トップスコーチング」と呼ばれる
花が付かない 現象を引き起こしてしまいます。
ハイブリッド系のゆりを育てる場合、おすすめなのは鉢植えで木陰になる場所です。
ゆりのトリビア
ゆりの球根は「甘えん坊」です。肥料をかなり多く必要とします。
そのくせ 肥料分を 吸う力が少ないのです。
ゆりを育てた後の土は 無肥料で使用してください。余分な肥料がかなり残っている
はずです。
ゆりは、咲いた時の感動が 一倍強い花です。ぜひ一度チャレンジを!
当店の ユリの売り場です。
(文中のゆりの写真は「タキイ通販ネット」さんからお借りした物です。使用については
許可を得ておりますが 転用を禁止いたします。)