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培養土 その4

培養土の価格について

 すいません。昨日は「書きもの」仕事が多すぎて ブログの更新をさぼってしまいました。しょんぼり
 今日で「培養土」の話を一旦 終わりにしますが、懸案の「価格」についてを書きます。

 培養土の価格はマチマチです。安いものもあれば すごく高いものもある。
 安ければダメか、高ければ 絶対にうまく植物が育つか?
 答えは「ノー」です。安い物でも うまく植物が育つ場合がありますし、高い物でも
 枯らしてしまう場合も多々あります。



 「安い」と「高い」の線引きは難しいのですが、この価格差は何の差なんでしょうか?



 話を少し変えます。

 例えば、私が「ゴン・オリジナル培養土」草花に総じて良い培養土を作ろうとした時、一体
 いくらになるのか試算をしてみました。

 基本用土は赤玉土 中粒と小粒をミックスします。
 腐葉土 広葉樹をしっかりと寝かせたもの
 ピートモス 水持ち(液相確保)、空気(気相)を持つために入れます
 バーミキュライト イオン効果および水持ちのために入れます。
 桐生砂 パーライト ゼオライト(もしくはクン炭) 完熟牛フンたい肥
 植物の成長に有用な菌体およびその資材 酸度調整材

 この混合で土を作ると 店売り価格が 20リットルで2,000円近くしないと利益が出ません。
 (この値段は高すぎると思うので 商品化は無理です 理想と理屈が多すぎます)


 土は 原価は安いですが輸送コストが結構 大きいです。


 培養土を作るための積算は

 1. 単用土の仕入価格+運搬費+消毒、振い分けにかかる費用
 2. 混合をする為の機械およびそのランニングコスト
 3. 袋詰めをする為の機械および袋の代金とランニングコスト
 4. 運搬の準備をする為の費用
 5. メーカーから個店までの運搬費
 6. メーカーの利益
 7. 販売個店の利益

 でできると思います。結構 手間もかかるものです。

 
 「安い」には理由があります。

 真面目に「コストダウン」を模索し、薄利多売で営業されている業者も多々ありますが、

 一部の「いいかげんな」メーカーの「培養土」には、消費者の安全を脅かす物が含まれて
 いる事があります。

 私が体験した例ですが、ある小学校の園芸指導に行った時の事です。
 使用していた土が足りなくなって、学校が以前に買ったという未開封の培養土(他店の物)
 を持ってきました。
 開封した所、土の中に「ガラス繊維でできた使用済の明らかに産業廃棄物を砕いた物」が出て
 きて その土を使用しなかった事があります。

 人によっては、産業廃棄物の二次利用として「それ」が培養土に混入されることは土として
 OKとする方がいらっしゃるかもしれません。
 しかし、産業廃棄物の二次利用は新しいものを仕入れてきた方が安い場合がほとんどで
 その処理のほうがよほどコストがかかるのが現状です。
 それが土の中に混入されていて、採算面で合うはずがありません。むしろ他のものを
 使用した方が安上がりで安全だと言えます。

 産廃業者は「物」を引き受けた時点で「利益」を出していますので「原料」としての
 価値はマイナスからでも一向に平気です。

 これは行き過ぎた「安売り」競争の中での 安易な手法ですが、

 我々は、
 知らず知らずのうちに「産廃の最終処分場」にされてしまっている可能性があります。

 (繰り返しになりますが、安い土のすべてがこのような悪質業者の物ではありません)


 現在の 園芸資材の価格の安さは異常だと思います。
 海外生産できる物は人件費の安い国から仕入れることによって、値段を安くできる理屈が
 あります。しかし、「土」は輸入することができないのが現状です。(一部を除く)



 我々の「生活」は安全である事が第一ではないでしょうか?

 私は「ロハス」ではありませんが、行き過ぎた価格競争によって第一である安全が脅かされる
 事を危惧いたします。

 価格は物の価値によって決まると思いますが、今 価値と価格がつり合いの取れない所に
 来てしまってはいないでしょうか?

 安売り競争の末、物に対する人々の価値感覚の低下 これを恐れます。


 
 園芸は趣味の世界です。いい土の見分け方は前回、前々回のブログをご参照ください。
 いい花を咲かせたい、いい野菜を作りたい もちろん安全に。

 そのために、植物の「家」である土に いくらお金をかけることができますか?
 

 








 



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