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培養土 その3


 こんばんは。定時より少し早い投稿になります。

 昨日は「いい土とは」というテーマで書きました。 培養土とひと口に言っても
 中身は同じではない、質もまちまちなんです ということを言いたかったのですが。

 今日は「培養土の物理性」について という難しいことを書きます。
 (ページを閉じようとした方 ちょっと待って! できるだけ簡単に書きますので
  ぜひお付き合い下さい。 自分も「物理」はアレルゲンですから)

  では、本題


 「培養土」を買って 植物を植えた時 こんな経験はないでしょうか?

 〇 水がなかなか引かず、鉢に溜まってしまう。

 〇 逆に 水が通りすぎて 土が水を吸っているのかわからない。

 いかがですか?

 このような場合 問題は 鉢にある(構造上)場合と、土にある場合があります。

 たいていの場合、土に問題があることが多いです。

 その理屈ですが、

 培養土(混合用土)の場合「三相」と言って

 固相・・・純粋にの部分
 気相・・・土に含まれている空気の部分
 液相・・・土に含まれている水 (土から水が滴らなくなってからしばらく置いた状態で)

 の3つの相からなっています。その割合が 固相:気相:液相=4:3:3が理想と
 言われています。

 土(培養土)を良~く見てみますと、うんと細かい粒々が何種類か固まってひとつの粒を
 作っていることが分かります。
 その粒の大きさは不揃いであったり、揃っていたりしますがそれは問題としません。
 (揃っている方がいい土のように思えますが そうではないです)

 さて、
 気相(空気相)は
 水やりをした場合水が流れてしまった後の粒と粒のすきまの大きい部分にできます。

 液相(水分)は
 水やりをして 細かい土の粒と粒の間に入りこみ 流れていかない部分にできます。

 水がなかなか引かず、鉢に溜まってしまうような土は 土の粒子が細かく「液相」が
 多いということが考えられます。この場合 気相も総じて少なくなります。

 水が通りすぎて土が水を吸っているのか分からないという土は 土の粒子が粗く「気相」が
 多いということが考えられます。
 えっ 砂って細かいじゃない?でもすっと水が抜けるよ と思われた方 イイ質問です。
 砂はレキが細かくなったもので、元々 水を吸いにくい性質を持っています。
 ですので、一般的な 三相では表現できない所も多々あります。

 話を戻しますが、

 水を多く持ちすぎる土は粘土のように粒が細かいか、水を吸いやすい原料を使っている事が
 多いです。そのような場合には「腐葉土」や「たい肥」のような有機物を入れて 
 よく混ぜ合わせる事が大切です。この場合 土が乾いた状態で撹拌しても改善されません。
 乾いた状態から、水を少しずつ加えて撹拌していくと 土がボロボロした状態になる時が
 あります。 そうしたら、水を加えるのを止めて よ~く混ぜてください。


 水が通りやすい土の場合、粒子が粗いか レキのような土を使っているか です。
 この場合は赤玉土を入れて 改善します。有機質分も加えた方がいいでしょう。
 そして、上と同じように 水を少しずつ加えて撹拌していきます。

 あとは 昨日のブログに書きました いい土の判定法で 合格すれば使えます。

 
 土についての「常識のウソ」

 〇 土は「黒い土のほうが良い」・・・黒い土は基本用土が黒いだけで有機質が多い訳では
                   ありません。逆に「赤土」を基本用土にした場合
                   全体に赤っぽくなりますが、黒に劣ることは
                   ありません。

 〇 土は「軽い方が良い」   ・・・半分はあたりですが、そうばっかりではありません。
                   重たい土は、粘土土が多いと考えがちですが
                   そうばっかりではありません。軽い土は基本が
                   「ピートモス」で作られていることが多く
                   扱いは多少 難しいです。

 〇 たい肥が入っているから元肥はいらない・・・「たい肥」は肥料ではありません。
                   園芸の世界では土、または土壌改良剤に分類されます。
                   たい肥は完熟しているものでは 窒素分で0.5%と
                   無視できる範囲です。


 培養土は知れば知るほど 奥が深いです。 






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