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ラナンキュラス 催芽処理

  ラナンキュラス アネモネ 失敗しないために

 こんばんは。昨日予告をしました通り「ラナンキュラス、アネモネの催芽処理(さいがしょり)」
 書きます。 プロ向け・愛好家向け 双方にポイントとなる事がありますので、花好きな方
 最後までお付き合いください。

 ラナンキュラス 催芽処理昨日の画像がラナンキュラスでしたので今日はアネモネ
 にしてみました。

 アネモネとラナンキュラスは同じキンポウゲ科の植物に
 なります。育て方もほぼ同じと思ってください。
 
 さて「催芽処理(さいがしょり)」とは? について
 お話いたします。

 アネモネもラナンも地中海性気候原産の植物です。

 地中海性気候では、夏に雨が降りません。その為夏を球根などの状態ですごす植物が多く、
 秋植え球根のほとんどは地中海性気候原産の植物です。

 高温多湿の日本の夏は彼らにとってはとても苦手なのです。
 しかし、日本人は 彼らを早く植えてしまう・・・。だから腐ってしまうことが多いのです。

 日本人は考えました。「アネモネやラナンキュラスをもっと長く楽しみたい。そのためには
 もっと早く植えて、株が大きくなれば 花の数も多くなるし 開花期間も長くなるはずだ。」

 そして「催芽処理」という方法が考えだされました。この方法のポイントは2つ。

 ① 乾燥しきっている球根にゆっくりと水分を与える。
 ② 冬を体験させて花芽を誘導する。

 (家庭用冷蔵庫を使って)
 1. イチゴパックのような容器を用意します。そこに固めのスポンジなど水を含ませておける
   ものを敷き、軽く水を含ませます。

 2. その上に球根を置きます。

 3. 冷蔵庫の野菜室がベストですが、パーシャルや冷凍庫でなければ大丈夫ですので そこへ
   置きます。

 4. 1、2日で球根が膨らみます。スポンジを触って水気がなければ「少し」水を加えます。
   (球根が直接 水につからないようにしてください という事です)

 5. 2週間ほどで根が伸びてきます。さらに1週間で 芽が見えてきます。その時が
   「植え込み適期」になります。この時が10月~11月であれば問題ありません。

   鉢または花壇に植えてあげましょう。アネモネやラナンキュラスは 深植えしなくても
   大丈夫ですので、軽く土がかぶる位に植えましょう。(尖っている方が下です)

 ここから下はプロ(栽培農家)用に書きます。ご興味のある方はど~ぞ。

 最近、ラナンキュラスの切り花が市場で人気があるのでラナン栽培農家さんが増えています。
 催芽処理の温度帯を含めて ご説明させていただきます。

 ① 球根消毒
 球根消毒用の消毒液を作り、催芽処理の直前に消毒を行ないます。おすすめはベンレートT
 です。

 ② 催芽処理 前半
 ここからは、自己流です。しかし実証はしてあります。
 チッソ分の少ないタネマキ用土(苗当番タネマキ用を使いました)を2寸ポットに半分入れ
 そこに球根を置きます。(植えません 置くだけです)
 10℃の冷蔵庫で2週間。土の様子をみて 乾いていたらミストします。

 ③ 催芽処理後半
 根、芽が出たことを確認して、ポット上部まで土を入れ球根を覆土します。
 ポイント ここから冷蔵庫の温度を8℃にします

 ④ 順化
 ポットから白い芽が出てきたら、冷蔵処理は終了です。順化に移ります。
 (順化の開始 は9月末までは試験したことがありますが、それより前に出したことは
  ありません。催芽処理開始を8月末に設定すると、順化が9月末から始まります)
 冷蔵庫から出たては直射日光厳禁です。できれば50%寒冷紗二重張り下で管理します。
 徐々に日にならしてあげると、芽が緑色になってきます。順化は1週間~10日で完了です。

 ⑤ 定植
 2寸ポットに根がしっかりまわったら、「定植」時期です。浜松では、ほぼ加温設備は必要
 ありませんが、凍るような寒さは苦手ですので二重被覆できるハウス栽培を勧めます。

 定植時は、薄い寒冷紗をしましょう。括着後 すぐに取ってしまって構いません。
 定植密度は、球根の大きさによっても違いますが 作業性を考えると60cm畝2条植えで
 よろしいかと思います。

 鉢植え(ポット植え)の場合は、わい化処理が必要になります。この方法なら年内出荷が
 可能です。

 ※ 当ブログは浜松標準で書いています。

 ここまで読んでいただいた方に深く感謝いたします。(身内でも読まないだろうな~)


 
 



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